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秋刀魚の味

ブログ記事が枯れているので、映像作品掲示板には書かないタイプの映画の話。

先月BSプレミアムで放送した『秋刀魚の味』(1962松竹)を見ました。
言わずと知れた小津安二郎の遺作でありますな。

これまでに何度か見ている作品ではあるけれど、ハイビジョンで見るのは初めて。
(ちなみに映画館では見たことがありません)
いやー、すばらしい。

初めて見たのは25年ぐらい前なのかなぁ。
それまでに見ていた小津映画は『晩春』と『東京物語』のみで、当時はどちらもピンと来なかったことを覚えています。
だもんで、『秋刀魚の味』もさほど期待せずに見たのでありましたが、なぜかこの作品にはピンと来た!
あのときは、初老三人組の友情関係に惹きつけられたんだっけなぁ。
なんてのは昔々の話。

今回、高画質(ま、原版保存があまりよろしくなくて、レストアしてもフィルム粒子がざらざらでしたが・・)で見直して、やっぱり大傑作だと感じました。

ストーリー面では戦前と戦後を見渡して、日本人・日本社会を描いたものであり、しかし、そんな大枠はあまり強調せず、家族の話として成立させている節度が名作たるゆえんでありましょう。
そこに加えて、ハイビジョン版で見えてきたのは、大変に色彩豊かな映画であるということ。
衣装小道具の配色が現実の再現というレベルを超えて色とりどり。

何気なく棚にのせてある段ボール箱もカラー印刷されているものを使っていたり、笠智衆の文机にいつも置いてあるアリナミンの小箱がワンポイントの赤色を印象づけたり。
(配色の問題だけでなく、この映画では実在する商品がたくさん出てくる)

小津映画の特徴である、整理されない会話(セリフっぽくないのであーる)でワンシーンが長引いているようなときでも、画面に映し出される色彩の奔流を見ているだけでキモチがいいのです。
これは従来見てきた、解像度の低い、くすんだ色合いの放送では感じられなかったものでした。

画質は大事だなぁ・・。

そんなハイビジョンに支えられて、今回の鑑賞では東野英治郎演じる元教師の悲哀に泣けて泣けて・・。
杉村春子がまたいいんだ、これが。
それから加東大介と笠智衆のやりとりも戦前派が戦後感じたであろうことを集約していて胸に刺さります。

なんて書いていると、小津映画を知らない人にはくそまじめな映画なんだろうなという印象を与えてしまうので、まずいまずい。
しっかりした内容があるのはもちろんですが、観客をにやりとさせるユーモアセンスも光りますぜ。
冒頭の野球を見に行くの行かないのの件は映像で観客に一杯食わす遊びだし、劇中のおっさんたちの騙し合いには観客も一緒にだまされる効果があって、なかなかお茶目。

『秋刀魚の味』、良い映画です。
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テーマ : TVで見た映画
ジャンル : 映画

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